ヨーロッパ諸国の抗争と主権国家体制の形成

主権国家と主権国家体制

 

・カトリック・神聖ローマ帝国の権威動揺

・各国は長期化、大規模化する戦争で常に緊張状態

→兵員と軍事費調達のため、徴税を中心とした国内の統一的支配の必要性→主権国家

 

絶対王政下でも、旧来の身分制度が残存→貴族は国王による国民の直接支配を妨害

国王はブルジョワジーへ特権を与え、協力関係により権威向上

 

問屋制・・・商人が道具や原料を前貸しし、生産を支配する制度→資本主義制度の先駆け

 

主権国家→相互に外交官を交換、国際会議開催で国際秩序を保つ(主権国家体制)

 

イタリア戦争

 

15世紀末、イタリアは教皇領と小国家に分裂→列強による海外進出の最初の主戦場

フランス王がイタリアに侵攻→神聖ローマ帝国の皇帝がこれに応戦→イタリア戦争の勃発

 

・フランス王・・・ルター派諸侯を支持→イギリス、イタリアと同盟を締結

・オスマン帝国スレイマン1世・・・フランスと手を組みハプスブルク家のハンガリーを攻略、ドイツへ迫る

・ローマ教皇・・・フランスと対立、スペイン・神聖ローマ帝国と手を組む

・ハプスブルク家スペイン国王カルロス1世・・・神聖ローマ皇帝カール5世として即位

→孤立したためルター派の布教を認める(アウグルブルクの宗教和議)→ルター派諸侯の支持を取り付け危機脱出

 

イタリア戦争終結

・フランスはイタリア支配断念

・フランスとハプスブルク家の対立

 

スペインの全盛期

 

カルロス1世・・・スペイン=ハプスブルク家。神聖ローマ皇帝カール5世も兼任

伝統的キリスト教世界統一の象徴

治世の大半を広範なスペイン領維持の戦いに費やす

フェリペ2世・・・レバントの海戦でオスマン帝国撃破

ポルトガル併合でポルトガル王も兼任、ポルトガルの植民地も支配下→「太陽の沈まぬ国」

 

オランダ独立戦争とイギリスの海外進出

 

ネーデルランド・・・カルヴァン派の新教徒(ゴイセン)が多数存在

スペイン国王フェリペ2世による支配強化とカトリック化政策→オランダの自治権縮小と宗教弾圧→オランダ独立戦争勃発

北部7州は抵抗してユトレヒト同盟設立→ネーデルランド連邦共和国として独立

オラニエ公ウィレム・・・独立派の指導者で新教徒。独立後の初代オランダ総督

イギリスはオランダの独立派支援→スペインと交戦状態

スペインは無敵艦隊(アルマダ)派遣もイギリス海軍に敗れる→スペイン衰退

休戦条約が締結→事実上のオランダ独立(オランダ独立戦争の終結)

アムステルダムが政治・経済・文化の中心に

 

イギリス王権はテューダー朝で強化も、ジェントリの協力が不可欠

→議会立法による宗教改革で国王は国内教会組織の頂点。エリザベス1世下で新教国としての意識形成

囲い込み政策により毛織物産業が盛んに→東インド会社の設立へ

 

フランスの宗教内乱と絶対王政

 

フランス・・・百年戦争後、領主や騎士階級が衰退、国王による中央集権化→ユグノー(カルヴァン派)の影響力拡大

 

・ギース公によるユグノー殺害(宗教対立)

・新旧両教派の貴族の権力争い(政治闘争)

→ユグノー戦争の勃発

 

ユグノー戦争は30年以上にも及ぶ

サン=バルテルミの虐殺・・・ユグノー戦争中、新教徒を旧教徒が不意打ちで襲い皆殺し

←シャルル9世の母后カトリーヌ=ド=メディシスの命令

スペインが旧教徒側を、イギリスが新教徒側を支持することにより、戦争長期化、国政大混乱

 

国内には、宗教問題よりも国家の統一を望む声が(思想家のボーダン)

アンリ4世・・・ブルボン家でユグノーも、即位すると改宗して旧教徒へ

ナントの勅令を発布→近代ヨーロッパで初めて個人の信仰の自由を認めた

→ユグノー戦争は急速に終結をして、フランス国家統一へ

 

ブルボン朝に絶対王政の確立期

リシュリュー・・・ルイ13世の宰相

三部会を開かず貴族やユグノーを抑えこむ

三十年戦争では新教勢力側に→ハプスブルク家打倒

王権強化はマザランに継続され、フロンドの乱も鎮圧

 

17世紀の危機と三十年戦争

 

16Cからの経済成長が止まる、ヨーロッパ全土の全領域に及ぶ危機が到来

 

神聖ローマ帝国内のベーメンの新教徒が神聖ローマ皇帝のカトリック強制に反乱→三十年戦争勃発

対立軸は旧教対新教

旧教側・・・スペイン・神聖ローマ帝国(傭兵隊長ヴァレンシュタイン)

新教側・・・オランダ・イギリス・デンマーク・スウェーデン(国王グスタフ=アドルフ)

フランスは旧教国だが、反ハプスブルクの立場から新教側に

 

ウェストファリア条約・・・三十年戦争の講和条約。主権国家体制確立の象徴

・ドイツ諸侯にほぼ完全な主権→帝国分裂へ

・アルザスがフランス領に

・西ポンメルンがスウェーデン領に→バルト帝国へ

・スイス・オランダの独立承認

・アウグルブルクの和議再確認・カルヴァン派承認

 

東ヨーロッパの新しい動き

 

プロイセン・・・ホーエンツォレルン家支配下のブランデンブルク選帝侯とプロイセン公国が合併

三十年戦争後、プロイセンが急成長

ユンカー(領主層)による農民支配

ロシア・・・イヴァン4世が専制政治の基礎確立

コサックのイェルマーク占領のシベリアも組み入れ、アジア進出開始

→死後、ロマノフ朝成立